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切れ長の目に艶やか黒髪が左目を隠すように流してある。顔のパーツ1つ1つからは上品な感じがする。
うん、文句のつけようの無いイケメンだね。
多分二年生かな? ネクタイの色が緑だし。
この学校の高等部は学年によってネクタイの色を変えている。
一年は赤、二年は緑、三年は紺だ。
それにしても、なんでこの俺様系出来る男な感じの生徒さんは僕を睨んでいるのだろう。
目を逸らすのも勿体無い気がして、睨まれながらも彼の瞳を見つめる。
「一応聞くがお前が益良男だな?」
「……そうですけど?」
彼の瞳を見つめながらそう答える。
それにしても、この上から目線といい冷たい視線といい、テンプレな俺様鬼畜!
きっと、あんなことやこんなこと……ふふふ。
たまらんですよ。
「なにをにやついてる?」
「なっ、なんでも無いです!」
にやついていたいたとは不覚。
気をつけないと。
出来る限り表情を引き締めた。
俺様鬼畜さんは釈然としないようだったが、ふっと息を吐くと偉そうに僕を見る。
「まず自己紹介でもしておく、俺は結城(ゆいしろ)秋斗(あきと)だ。この学園の高等部の生徒会長をしている」
生徒会長!? えっ、やばいテンプレ過ぎて感動の涙を出しそう。
叫ばなかった僕を誰か誉めて!
「お前を理事長室に案内しに来た」
「案内……ですか? わざわざ? なんで?」
「やれと言われたから来ただけだ」
そう言うと話は終わりだと言うように踵を返して校舎の方に歩いて行った。
「やれと言われたから……か、誰に言われたんだろ?」
「なにをぐずぐずしている」
「すみませーん」
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