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おぉ……自動ドアだ。
金持ち校って感じだ。
感動しながらも会長さんに続いて自動ドアを抜ける。
――はずだった。
「いったい!!」
何故か僕が通る寸前で自動ドアが閉まって、鼻をぶつけてしまった。
地味な痛さだ。
「うぅ…………」
「大丈夫か?」
会長さんに声をかけられてそちらを見る。
すると思いの外会長さんは優しい顔をしていた。
「鼻血は出ていないようだな……一応、保健室に行っておくか?」
「大丈夫ですよ、慣れてますから」
心配してくれた会長さんにペコリとお辞儀する。
「じゃあ、行きましょうか」
「そうだな」
「この手は?」
会長さんは僕の手を握っていて、離そうとしない。
「ガツンガツンぶつかってもらうのも面倒だからな、保険だ」
「なるほど……よく転けるので助かります」
自慢じゃないけど僕はかなりドジな方だ。
「……赤面したりしないんだな」
「ほえ?」
「おもしろい」
なにが?と聞こうとすると会長さんは僕の手を引いて歩き出した。
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