腐男子出陣!?

5/17
前へ
/24ページ
次へ
疲れる……会長さんと僕とでは歩幅が全然違うから会長さんに合わせるのに早めに歩かなくてはいけない。 「あの」 「なんだ?」 「もう少しゆっくり歩いてくれたら助かるんですけど……」 会長さんはちらっと僕を見た。 「あぁ、小さいから歩幅があわないのか」 「むっ……はい」 ちょっと反論したくなったが事実なので仕方なく肯定した。 それに反論したら倍返しにされる気がする。 何も言わずに会長はまた歩き始めた。さっきよりも歩くスピードが遅い。 やっぱり、会長さんて優しいなぁ、俺様ではあるけど鬼畜では無いのかな? お互い無言のまま歩き続けると会長が両開きの扉の前で足を止めた。 急だったので勢い余って前に倒れそうになる。 その時ぐっと腕を引っ張られて会長の胸に飛び込んだ。 「本当にドジだな」 「うぅ、ありがとうございます」 ドジだと言われた事に微妙にへこみながら礼を言う。 「ここが理事長室だ」 「ありがとうございました。会長さん」 「なんだその呼び方は名前で呼べ」 命令系……流石は俺様! 「結城先輩?」 「下で呼べ」 「秋斗先輩」 「あぁ、またな冥利」 そう言うと秋斗先輩はさっさと行ってしまった。 てか、いつの間にか名前で僕呼ばれてるし。 まっ、いっか悪い気はないし。 1人頷きながら理事長室の扉を開けた。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

360人が本棚に入れています
本棚に追加