窮屈な学園

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「はぁ……」 入学から一ヶ月が過ぎ学園生活に慣れてきたが、最近は通学路での視線が突き刺さるように痛い。 それは、隣りにいる二人が原因だった。 一人はアーサーで、あの日に登校は毎日一緒にする約束をしたが、とくに話す訳でも無く挨拶程度しかしていない。 アーサーと話せない理由は、もう一人のマリアの終わらないマシンガントークに付き合わされてるからだ。 アーサーは毎日マリアと登下校しているので、朝は三人で来ている。 しかも、マリアとアーサーは余り話さないで、テリーとマリアが毎回話しているのが原因で、テリーとマリアが付き合っているという噂まで広まってしまっている。 マリアの容姿は、サラサラの金髪が腰辺りまで伸ばされ整った顔立ちで少し垂れ目の澄んだ瞳、体型も素晴らしく学園のみならず国中にファンがいる程だ。 そんなマリアと噂になっているテリーは男子生徒からの視線に困っていた。 マリアはというと注目される事に慣れているので全く気にせず、テリーが余り構ってあげないと怒ったり腕に抱き着いたりと、更に困った事になってしまう。 「それでは、また午後にお会いしましょう」 学園に着くとマリアは教室に歩いて行った。 残ったテリーは歩きだしたアーサーの肩を掴み人気の無い所に連れて行った。
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