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これは、日本の春が一年中続くような国イシュバイン、その王都アウテレスにある学園に通う一人の学生の物語。
その学生は、この国では珍しい黒髪で色白の肌、身長は178センチ体重は60キロとやや痩せぎみだが普通の学生である。
ある一点、目の部分に巻かれた包帯以外は……完全に光を絶つように巻かれた包帯は近寄りがたい異様な雰囲気を醸し出している。
そんな生徒も、学園生活二日目と慣れてない通学路を期待と不安を心に足を進めていた。
「はじめまして、一年間一緒に学ぶテリー=クロスムーンです。
よろしくお願いします。
よし、自己紹介もばっちりだ」
小声で何度も練習しながら学園を目指す、誰かに聞かれたら更に友達が出来なくなりそうである。
だが、テリーの声に気付く学生は皆無。
そもそもテリーは周りの気配だけで生活してきた人間だ、声が聞こえる範囲に学生がいないことを確認して練習していた。
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