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テリーは無事に教室までたどり着く事が出来た。
途中での、突き刺さるような視線を抜かせばの話だが……
今も耳を澄ませば聞こえてくる陰口、こんな時は自分の耳の良さが嫌になる。
「よっお前も一人か?」
隣りの席に座っていた少年が話しかけてきた。
テリーは隣りの少年には気が付いていたが、話しかけてくれるとは思ってなかったので驚きだ。
しかも、こんな真っ直ぐな心で……
テリーは視界以外で物事を見る、それは悪い部分もあるが良い部分もある。
それは心が見える事だ。
読心術のように考えを読むのではなく、雰囲気や心拍数・筋肉の収縮などから、自分に敵意も違和感もなく話し掛けてくれている事がわかった。
「なんだよ、無視かよ」
「あっごめん、そういうつもりじゃなかったんだよ。
俺ってこういう身なりだから、初対面で声をかけられる事がないから驚いちゃって」
「なんだ……っておい!
目を怪我してるのか?」
「まぁ……昔ね」
「ふぅん……まっいっか、俺はレイトン。
お前は?」
「テリーだよ」
「テリーか、よろしくな。
センセが来るまで話そうぜ」
目の事に気が付いても大して気にしてない様子のレイトン、テリーは始めて会うタイプの人に戸惑いながらも、学園で初めての話し相手が出来た事を喜んでいた。
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