笑顔

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俺「待ってたまるかっ」 微塵も後ろを見る事なく、猛ダッシュする。 曲がり角から突然目の前に婦警さんが立ちはだかる。 婦警「止まりなさい!貴方をスピード違反の容疑で逮捕します!!」いや、人間相手にそれはない。 俺「ぐっ」立ち止まる。 二人の婦警さんに挟まれたっ。どうすればいい。 後ろからの婦警さんを警戒し、振り返ると。 婦警「捕まえたぁっ」 もう既に俺の後ろに距離を詰めていた。 俺「ひぃっ」 婦警「逃がさないわよ?」 逃げようとするが、後ろから押し倒される。 俺「HANASE!!」 婦警「そんなにニュアンス良く発音しても無駄よ」腕を押さえ付けられ、手錠をかけられた。 俺「ちくしょおおお」 こんな形で脱童貞なのかっ!?。 目の前の婦警さんが屈んで俺に話し掛ける。 婦警「スピード違反だけど、、私達相手に速すぎたら許さないからねっ?」 ナニの事ですか。 婦警「ポイントが無くなるまで搾り取ってあげる」 ナニをですか。 俺「っ」 ここまでか。 そう覚悟した時。 婦警「きゃっ!?」 俺を押さえ付けていた婦警さんが軽く飛ぶ。 婦警「えっ?」 その婦警さんがもう一人の婦警さんを巻き添えにして倒れる。 俺「な、なんだ?」 ?「起きろ達馬ぁ!!」 俺「へ?」 確認すると。 太陽の光を背にしながら、もう一人の幼馴染みの女の子、三枝千歳(さえぐさ、ちとせ)が立っていた。 俺「千歳っ」救世主の登場にちょっと漏らしそうになる俺。 千歳「お礼は後でいいからさっさと逃げるぞ!!」 強引に起こされる。 俺「礼なんて言わねぇって」 千歳「言ってろ」笑顔で挨拶をかわすと、俺達は走り始めた。 路地裏に入る。 俺「はぁ、、はぁ、、た、、助かったぁ」 壁にもたれ掛かり、音をたて座り込む。 千歳「あれぐらいの距離で息が上がるなんて情けないぞー?」無い胸を張り、俺に喋りかける。 俺「うるせー、、俺はお前みたいなガサツな女と身体の鍛え方が根本的に違うんだよっ」本当に。 三枝千歳は昔からの元気娘だ。体操女子の部では常に成績上位。先生がそれに目を付け、陸上部に引きずり込んだ。 本当に身体から鍛え方が違う。おかげでさっきも追い付くのがやっとだった。 色気より食い気という言葉が悲しいくらいに似合う女の子。それが三枝千歳だ。 目線を千歳に。 千歳「っ、、、俺はそんなにガサツな女の子か?」 頬を紅く染め、涙ぐみながら悔しそうに俺を見ていた。image=392972385.jpg
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