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「…ってな訳なんですよぉ。
ってことで副長、許可ください!」
山崎が微笑むと土方は眉間にシワを寄せ深い溜め息をついた。
「…そんな笑顔で許可くださいって言われてもなぁ。まず雇う訳を聞かないことには許すことはできねぇな。」
「えーっ?それならさっき俺がちゃんと言ったじゃないですかぁ!」
「確かに山崎からは聞いたが、本人から聞かなきゃ意味ねぇだろ。それに山崎は嘘つきのスペシャリストだからな。」
山崎は土方にあっかんべーをした。
土方はそれを全く相手にせずに華の顔を見つめた。
「…わかりました。
私の口から全てお話いたします。」
華が真剣な表情で土方の顔を見た。
「ああ。…だがちょっと待て。」
土方は立ち上がり華たちの後ろにある襖を思いっ切り開けた。
すぱーんっ!!!!!
廊下には若い男が4人、盗み聞きをしていたらしい格好で固まっていた。
「…あっ、土方さん……。
今日は良い天気ですねぇ…。」
あははは~と笑う彼とその他3人は逃げようと後ろを向いたがある人物が刀を向けていた。
「…お華、そいつらは敵じゃないよ。」
山崎もいつの間にか、刀を向けていた華の後ろに周り後ろから優しく手首を掴む。
すると華は刀を仕舞いそのまま廊下で正座をして頭を下げた。
「…申し訳ございませんでした。
ご無礼をお許し下さい。」
「…って言ってるから許してあげてね?」
山崎はそう言うと華に立ち上がるように促した。
華の動きが全く見えなかった土方は少し焦りながらも口を開いた。
「……まぁ全員中へ入れ。話がある。」
土方の言葉で廊下にいた全員が部屋へと入った。
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