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全員が土方の方を見て座った。
「…仕方ねぇな。お前らだけにはこの事言っておくか。」
土方はめんどくさそうに頭をかいた。
「……あれ?確か僕、この方とどこかで会ったことありますよ!!」
4人のうちのさっき土方に天気がどうとか言ってた男が華の顔をじっと見つめた。
「…あっ!俺もあるかもしんねぇ!!!」
割と童顔な男も彼女を指差して言う。
「…俺も見たことあるぞ?
……………あっ、わかった!!
お前島原の下働きの娘だよな?」
4人の中で1番体格の良い男が笑顔で話す。
「…えっ?それは違ぇよ左之!!
確かこの娘は蕎麦屋の看板娘だ!!!」
左之と呼ばれた男の隣に座った男が人差し指を立てて言う。
「……あっ!!思い出しました!
この方は甘味屋の看板娘ですよっ!!!」
天気の話の男が2人に言った。
「違うよ総司!確か呉服屋のお姉さんだよ!!」
童顔の男が話す。
「…ちょっと待て!
俺も会ったことある気がする……」
土方までもが会話に入り山崎を除いた男5人がそうだ!!違う!と話し合いを始めた。
山崎は小さく溜め息をついて彼女を見ると悪戯を思い付いた子供のような笑顔を浮かべていた。
それにまた山崎は溜め息をついた。
華はすっと立ち上がると話し合っている土方の横に座る。それを不思議に思った男5人は華に注目した。
それを確認すると華の周りの空気が変わった。
「…土方はん、うちのことしっかり覚えてくれてはったんですなぁ。うち嬉しいですえ」
そう言うと華は着物の袖で口元を隠し一瞬土方を見てから流し目をした。
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