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この場にいた全員が驚いて動きが止まった。
そんな中、土方は目を見開いて華を見た。
「………ゆ、夕空太夫?」
その場にいた全員が驚いて土方を見た。
「土方はん最近全然うちに会いに来てくれはらへんから寂しかったんですえ?
…ま、うちがあの店辞めたんやけど♪」
楽しそうに華は土方の腕にしがみついた。
「…お、おまっ、お前っ!!!
ほ、本当に夕空太夫なのかっ?」
焦る土方に華は物凄い笑顔を浮かべた。
「もうやだなぁ土方さん!!
私、今はもう辞めたんですよ。
だから今はただのフリーターです。
ごめんなさい。騙すつもりはなかったんですけど…何と無く………。」
さっきまでの艶姿は無くなり、そしてその前の刀を向けていた勇ましい姿でも無く、そのまた前の丁寧なお嬢様といった姿でも無い子供っぽい姿に山崎以外の5人が目を見開いた。
「…もう!!お華、そんなんせんでえぇからさっさと話してさっさと仕事しようよ!」
山崎が言うと華はまた山崎の隣に座り直した。
それを見て周りの男もすぐに座り直す。
「…ごほんっ!!
まず、お前は一体何なんだ?
どれが本当のお前なのか教えろ!!」
土方はきっと華を睨んだ。
「はい。そうですね…とりあえずさっき皆さんがおっしゃっていた甘味屋、呉服屋、蕎麦屋、下働き、そして遊女、…全て私本人だと思います。
まぁ全部バイトなんですけどね。
でも昔は遊女を本職としてました。…訳ありで辞めましたが。そして仕事が無くなった私は色々なバイトをして生計を立てておりました。そこで山崎さんからお声をかけて頂いたのです。」
華はそれだけ言うと俯いて何も言わなくなった。
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