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「…夕ぞ……ごほんっ!!
お前、姓は春江だったな?
本気で新撰組に入りたいのか?」
土方の言葉に華は顔をあげる。
「勿論でございます。どこへでも侵入して情報を掴んで参ります。」
「…さて、総司、藤堂、原田、永倉。
お前たちはどう思う?この女を信じるか?」
土方は真剣な表情で彼らを見つめた。
「…僕は反対ですね。女子が新撰組に入るのもおかしいのに、こんな訳わかんない奴どっかの間者かもしれないですから。」
天気の話の男が静かに言うと童顔は言いにくそうに口を開いた。
「……俺は許可しても良いと思うよ。
さっきこの人が俺達に刀向けて来た時、全く気配に気付けなかった。監察方としては完璧だよ。」
「…俺も平助と同じ意見だ。
確かに女がここにいるのはおかしいが女中にでもしちゃえばいい話だし!!」
左之という男が言うと天気の男は口を挟む。
「…女中なんて要りません!
十分間に合っているじゃないですかっ!」
「まぁま、総司もそんな熱くなるなよ。
あの松○修造じゃねぇんだからさ!」
左之という男の隣の男が笑顔で言うと総司は完全に拗ねてしまい顔をそむけた。
「…おい、永倉。お前は結局どっちなんだ?」
「んー、そうっすねぇ………
………どっちでもいいかな。
入隊するなら仲良くするし、出来ないならバイト応援するし。もし入って間者とかだったなら…躊躇わずに斬りますし。」
土方の問いに永倉が真剣に答えた。
「…じゃあ永倉は賛成ってことでいいよな?多数決で3:1ってことで春江の入隊を許可してやろう。」
小さく微笑む土方を見て華は今までに無いとびきりの笑顔を見せた。
「はいっ!命を懸けて頑張ります!!!」
こうして華は無事新撰組に入隊することとなった。
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