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土方から許可を貰った華はとりあえず山崎と一緒にコソコソと頓所内を案内してもらった。
そしてそのあとは山崎の仕事のお手伝い。
その報告をしに土方の部屋へ来ていた。
「………以上が報告です。
…俺的にあの人は怪しいと思うので引き続きマークしていたいんですがいいですか?」
「……確かに何か臭うな。
よし、あいつへのマークを続けろ。」
土方は真剣な表情で山崎に言った。
「………あ、あの~、」
そんな土方を見ながら言いにくそうに華は口を開いた。
「…どうした?」
土方は怪訝な表情で華を見つめた。
「……あ、はい。私さっき山崎さんと一緒にいて思ってたのですが、…向こうの監察だと思うんですけど私たちをつけてますね。多分。」
「…それは本当か?」
土方は眉間にシワを寄せた。
「おそらく。あの気配が敵なのか、それともまた違う者の気配なのかはわからなかったのですが…」
「…どうなんだ山崎。」
土方が山崎に視線を移すと彼は楽しそうに彼女を見つめていた。
「…さすがお華。俺が見込んだだけあるな。
確かに複数の気配がつけてきてましたけど、それは多分敵じゃないですね。
………むしろ味方って感じなんでシカトしてれば大丈夫だと思いますよ。」
微笑む山崎に土方は溜め息をついた。
「…山崎、お前誰がつけてたか知ってるな?」
「さぁ~?」
「……よし、言え!」
「…さすがの俺でもこの情報はそれなりのことしてもらわないと言えませんねぇ~。」
山崎の言葉によって明らかに怒りのボルテージがかなり上がった。
「…ほぉー。そうかそうか。山崎くんは副長の俺にそんな口をきけるほど偉くなったんだなぁ。
…てめぇ、さっさと言わねぇと斬るぞ?」
「副長に斬られたら楽に死ねないんだろうなぁ。それなら切腹の方が全然ましだよな。」
「お前そんなに自分で腹斬りてぇのか?」
「そんなこと言ってませんよ。
…もー、仕方ないですね。俺はチキン野郎なんで副長にだけ教えてあげましょう。」
山崎はそう言うと土方の耳元で複数の名前を挙げた。
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