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「なんで受け取ってくれないんですか?」
「あ…いや、ごめん、やはり受け取ろう!安いものでいいからな?」
せっかくここまで持ち直したのに不機嫌になられては困る、と斎藤は必死に言う。
そんな必死な彼を見て華はニヤリと笑った。
「言いましたね?受け取ってくれるって言いましたよね?よーし、斎藤さんへのプレゼント選びにレッツゴー!」
確信犯だった華。性格がめちゃくちゃ悪い。
引っ張られて行った斎藤は深い溜息をついた。
そしてついた先は男性物のブランド的な物を取り扱う店だった。
「…ここはやめないか?」
かなり値の張るものしか置いていないこの店。斎藤は当然華の手掴み入るのを拒否する。
「いいから、いいから!私、副長様より稼いでるからお金のことは気にしないでください」
「…え?お前、………副長より稼いでいるのか…?」
とんだフリーターだな、と斎藤は華を見つめた。
「そんな目で見ないでくださいよ~。…まあ、副長様は仕事の割に給料が少ないんでね。それに私、他のバイトもしてるから仕事の量とかもちゃんと副長様が調整してくれてますから上手いことやらせて頂いてるんです」
「………副長、本当に優しいお方だ…」
「無理して汚れ役を買って出て鬼にならなくてもいいのに…」
ポツリと呟く華に微笑むと同時に斎藤は土方と華のお互いの想いを垣間見た気がした。
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