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それはお日様がぽかぽかと暖かい
春の日の午後のことだった。
「…って訳なんで、この娘を俺の部下にしてくれませんか、副長?」
春のお日様のような暖かい笑顔で副長に話した山崎烝に副長こと土方歳三はおもいっきりげんこつを食らわせた。
「~ってぇ~~~!!!!!
山崎は頭を手で押さえながら涙目で土方を見つめる。
「…お前はバカか?
新撰組に女は入れねぇんだよ。」
「…知ってますよぉ~!!!
だからこうして副長に直接お話しているんじゃあないですかっ!」
山崎は頬っぺたを膨らませながら土方に言う。
「……そりゃあ、お前が見込んだぐれぇの奴だから入隊させてやりてぇがな。ルールはルールだろ?それに近藤さんだって…」
「あっ!!局長にならオッケー貰ってますよ!」
山崎は土方の言葉にかぶせて言った。
「…ウソだろ?」
「いや、本当に!!!」
「……なんでっ?」
「それはですねぇ~」
それは約30分前のこと、
「……ってことなんです。局長っ!この娘を俺の部下にしてくれませんか?無理を言っているのは承知です!!!」
お願いします と山崎は局長こと近藤勇に頭を下げた。
「…なるほど。山崎くん、頭を上げてくれ。
君の言い分はわかった。
しかし女の子をこの新撰組に所属させる訳にはいかないんだよ…。」
近藤は残念そうに首を横に振った。
そんな近藤を見て今まで黙っていた山崎の横でちょこんと座っていた若い女が口を開いた。
「…………では、私(わたくし)が男装をしたら許可していただけますか?」
その言葉に近藤は目を見開いた。
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