vol.1 人殺し

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僕はこの常軌を逸脱した現状に完璧に飲み込まれ、恐怖でガタガタ震え出した。 「あ、あんたは医者だろ。な、何でこんなことするんだ。人を殺してまでも3億が欲しいのか!」 僕は震えながらも勇気を持って立ち向かった。 「クックック。君は私が異常だと思うかね?私はいたって普通だよ。人を殺すにあたって倫理も道徳もすべて正当化されてしまうんだよ。私の理性によってね。 非日常的なことが起こると、理性を凌駕し出すのだよ。しかし、この現状が常軌のことであると脳が認めようとするんだよね。その時に先程までの理性とはまた別の理性が生まれるのさ。いや、覚醒かな。 まぁこれは常人には解らないかもね。さあ、お喋りはここまでとしようかね」 そう言うと、メスを僕の方に向けながら近づいて来た。 その時、
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