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そして漸く話終えたと思ったら、澪はツカツカと近づいてきた。
・・・ちょっと、気迫がある気がするんですけど。
ピタッと目の前に立ち止まった。
そしてギロッと睨まれた。
「・・・怖い」
思わず口に出して言ってしまった。すると、頭に衝撃が走った。
「った!!」
「バカッ!!お前どんだけ目悪ぃんだよっ!!」
「えぇ~?」
「お前自分の視力、どれくらいだと思ってんだ?」
「んな事、分かるわけ無いじゃん」
「0.01ですよ」
ンフフッと顔を皺くちゃにしながら、そう答えてくれた。
「・・・・・・・0.01?」
「・・・どのくらい悪いか、分からないって?」
「あぁ・・・」
「日常生活を裸眼で送れているのが不思議なぐらい、悪い」
「へぇ~」
適当な返事をすると、また頭を叩かれた。
そして、その時になって漸く理解した。
…だから、手を繋いで歩いていたんだ。
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