最終回

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朝、緊張していつもより少し早めに起きて手早くご飯を済ませた。 家を出るときに、寝巻き姿の父親が携帯で険しい顔をして電話をしていて優太は不安な気持ちになった。 母親に弁当と水筒を手渡されて家を出たが、父親の表情が気にかかり、何度も家の方を振り返りながら優太は集合場所へと向かった。 集合場所から野球場まではバスで向かった。緊張を紛らわすためにみんな学校やテレビなどの話をしていたが、優太はその輪には加わらずにぼんやりと窓の外を眺めていた。 球場に到着すると、優太はスタンドを見渡したが、まだ客もまばらだった。 試合が始まるまで何度も見てみたが、やがて母親を見つけたが、その隣に父親の姿はなかった。
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