無法地帯

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「あ、あそこだよアリス。アレが僕らの家なんだっ」 少年の言葉に顔を上げると、そこには大きな建物があった。 カラフルな建物の扉を開けた少年はアリスを家の中へ招いた。 「ラオ、そいつ……」 家のなかに入ってすぐ、少年に声をかけてきた人がいた。 「アリスだよっ!やっと見つけたんだっ」 アリスと繋いだ手に力を入れながら、少年は満面の笑みを浮かべた。 アリスより身長も高いその少年が浮かべた笑顔は、幼い子供が母に向けるような、そんな笑顔だった。 「その子が…」 アリスは意味もわからずただその場に立ち尽くしていた。 「アリス、この人は女王様だよっ。」 ‘女王様’と呼ばれたその人物を見て、アリスは瞬きを繰り返した。 「……女の人?」 確かに美しい人だが、どこから見ても女性には見えなかい。 「いや、男だ。性別はな」 「ここで一番偉いのは女王様なんだ!だから女王様」 その言葉を聞いてもアリスには理解できなかった。
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