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ギャーギャー言っていた二人はまた同じ種の寂しさを感じていた
思えば歌菜が生まれてから今まで、くっついていない時はなかった
美和が遊ぶところには歌菜が必ずついていったし、歌菜の初めてのおつかいには美和がついていくと言って譲らなかった
ダンスを始めたのは歌菜が最初だったけれど、美和はその次の日にはダンスを習い始めていた
今でも買い物はもちろんのこと、夜寝る時も、お風呂の時も一緒だ
そしていつもそばにいないようでそばにいる謙太
この言い合いも二人にとっては儀式のようなものだったのかもしれない
「じゃあ…もうそろそろ行こうか。美和ちゃん」
今度は謙太が言った
「…うん。…じゃあね!歌菜!元気でいるのよ」
「うん!お姉ちゃんこそ元気でね!」
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