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桜舞い散る新学期
ここ、西條高校には新しい制服を身に纏った新入生たちが続々と学校内に入ってきた
「お、あの子めっちゃ可愛くねぇさ!?」
「紫苑……お前、朝からよくやるよな」
新学期そうそう、学校の屋上で新入生をエロ目線で見てるのは藤嶋 紫苑(ふじしま しおん)だ
こいつは人当たりもよく、そこそこ人気のあるヤツなんだが、なにぶん問題行為が多いヤツで教師からはあまり良い目では見られていない
そして、隣で紫苑のやることに呆れた顔をして空を見上げているのが……
「おいおい悠希く~ん、これは全国男子諸君の浪漫ってモンさ?んなこと言っちゃアカンさ~」
「全国の男子諸君がお前みたいに双眼鏡片手に朝から屋上で新入生観察なんぞしてたら怖いわ!今ごろこの屋上は男子でいっぱいだわ!んなもん廊下ですれ違った時とかに確認するだけでいいだろうが!」
「やや、反論が長いぜ悠希ぃ~。見た目いかついのによく喋るねぇ~」
「もう黙っとけって」
こいつ織部 悠希(おりべ ゆうき)だ
悠希は紫苑が言ったように少しいかつい
さらに赤みがかったはねた長い髪が印象的だ
普段は人あたりの良い性格なのだが、なにぶん喧嘩っ早い性格で何かと喧嘩を売られたら倍返しをしているぐらいだ
「ところでお前、クラスの分担表見に行かなくていいのか?」
「んなもん見なくて全然オ~ケ~さ~。どーせ悠希が確認してくれたハ~ズさっ」
「俺が確認してなかったらどうする気だよ」
「確認してると思ったからここに連れて来たんさ~」
相変わらず感の鋭いヤツだ
いや、要領がいいというべきなのか
確かに悠希は友達である紫苑がどのクラスになったか気にならないハズもない
クラス替えの時は誰もがしてしまう行為である
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