あの味をもう一度

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ナツは先輩のシニカミ。 そして僕の教育係。 シニカミは前の人生の死に際の姿から、成長しない。 だから年齢にして… 『15歳くらい?』 『300くらい。』 初対面からさらっとすごいこと言ってきた。 年齢を聞いたのは僕なんだけど…。 『私、ナツ。 この仕事でわからないことがあったら、なんでもどうぞ…って長官が。』 棒読み。 『どうぞよろしく。』 「それで、明日の仕事の内容は?」 「今回は二人。 私とリュウ。」 部屋を出て、エレベーターの中。 もうすぐ館長室の前。 地下44階。 「死者は?」 「一人、16歳の高校生ね。」 「男?女?」 「さぁ?両方とも?」 「そうですか…。」 チーン …今時、エレベーターでこの音はないわ。 「嘘よ」 「てめぇ…」 見た目が同じくらいだから、敬語を使いたくはない。 だから会った日からタメ口だ。 「ついたよ。」 実は館長室はまだ2回目。 シニカミになった日、手続きで一回入っただけ。 「失礼します。」
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