あの味をもう一度

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「よぉ、元気してたか。」 部屋の中には、オールバックの見た目30後半の中年男が立っていた。 スーツでいるのが、逆にヤクザみたいで印象は最悪。 またこのオッサンは…。 「まぁまぁです。」 とナツ。 「久しぶりだな、わけぇの。」 「相変わらず、そのヤクザみたいな口調、どうにかしてくれませんか?」 と僕。 「こればっかりはな。 どーしよーもないな。」 「どうしたんですか? 館長室呼び出しなんて。 僕、何かヘマでもしました?」 正直、今めっちゃビビってる。 「いや、そうじゃない。 むしろ逆なんだが…。」 予感が外れてうれしいわけだけど、館長の言葉が少し申し訳なさそう。 これは嫌な別の予感がする。 「次の仕事、二人でってどういったわけなんですか? 二人はいらないのでは?」 ナツが館長に尋ねる。 「いやな。 次の仕事は訳有りなんだよ。」 訳? 訳ってなんだ? 「次の仏さん、少々頑固なやつでな。 たぶんてこずると思うから、二人でやってもらう。 二人とも。 今回は仕事に手慣れたやつにしかムリだ。 リュウ。昨日は見事だった。」 「………どうも。」 「ナツもだ。 だから二人に初めての難しい仕事な。」 二人? 僕はまだしも、ベテランのナツまで? どんだけ大変なんだろ。
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