6人が本棚に入れています
本棚に追加
「それで?
その高校生のラインの色と数は?」
ナツが館長に聞く。
「色は黒。
数は20くらいか。」
黒?20?
基準がわからないから、なんとも…。
「そう…。
20もですか。」
「20ってのはどれくらいなんですか?
それと黒ってのは?」
「何も知らないんだねナツ。
20はそうとう命に執着があるの。
そして黒は他者からの…。」
「恨みによる殺害。」
館長は悔しそうだ。
ナツも暗い表情。
ここは…、僕がなんとかしないと!
「…わかりました。
シニカミのエースとしてこの僕、リュウが必ずその子を導いてみせます!」
「よく言ったリュウ。」
嬉しそうな館長をみてホッとした。
「よし、てめぇらに任せたこの館長ゲンジの目に、狂いはなかった。
ただし、失敗は許されねぇからな?
失敗したらシニカミ全体の恥と思え!!」
「はい!」
「はい!」
僕とナツの返事が重なる。
「頼むぞ、二人とも。」
ニヤリと笑う館長に清水さんの面影を見て、心臓が裏返りそうになった。
ゴツい館長の銀の腕時計が光る。
最初のコメントを投稿しよう!