あの味をもう一度

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「それで? その高校生のラインの色と数は?」 ナツが館長に聞く。 「色は黒。 数は20くらいか。」 黒?20? 基準がわからないから、なんとも…。 「そう…。 20もですか。」 「20ってのはどれくらいなんですか? それと黒ってのは?」 「何も知らないんだねナツ。 20はそうとう命に執着があるの。 そして黒は他者からの…。」 「恨みによる殺害。」 館長は悔しそうだ。 ナツも暗い表情。 ここは…、僕がなんとかしないと! 「…わかりました。 シニカミのエースとしてこの僕、リュウが必ずその子を導いてみせます!」 「よく言ったリュウ。」 嬉しそうな館長をみてホッとした。 「よし、てめぇらに任せたこの館長ゲンジの目に、狂いはなかった。 ただし、失敗は許されねぇからな? 失敗したらシニカミ全体の恥と思え!!」 「はい!」 「はい!」 僕とナツの返事が重なる。 「頼むぞ、二人とも。」 ニヤリと笑う館長に清水さんの面影を見て、心臓が裏返りそうになった。 ゴツい館長の銀の腕時計が光る。
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