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新居に入居したのはそれから約一週間後の事だった。
新しい仕事が始まる迄の5日間は特に予定も無く、ァタシにとって何年ぶりかの夏休み。
ずっとやってみたかったアパレルの仕事。
好きな服に囲まれて幸せなんだろうって思ってたけど、頭の片隅に余計な記憶…
公園の彼は此処ら辺に住んでるのかな?
何でちょっと気になるか、単純過ぎる理由だった。
ちょっと顔がタイプなだけ…
部屋の片付けも思ったより順調に進んでいた。
初めての家でのランチは質素にカップラーメン。
大好きなマヨネーズを少々。
『あれ?このクセ家族以外で知ってる人って…居たっけ?』
大好きな曲を流しながら、久々にアルバムを開いた。
『親友の玲子。最近連絡とってないなぁ…ちゃんとママやってんのかな?』
『隆…別れてから6年。長かったけど、お互い若気の居たりだったな(汗)』
『ママ…食料送ってくれたから、お礼の電話しなきゃ。』
『ん?』
ァタシの目が一枚の写真に止まった。
『これ誰が撮ってくれたんだっけ?』
ァタシの好きな白浜の海。
でも隆と行ったんじゃない。
そうハッキリ言えるのは、ァタシは隆の前でこんな笑顔は見せた事が無かったからだ。
自分でもこんなに幸せそうな顔したァタシは見た事が無かった。
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