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翌日。ホームルームで担任教師の小野がその話題を取り上げた。
山形が学校側に直訴したからである。
もちろん生徒側は認めなかったし、当の陽菜がもじもじしてハッキリと喋らないのだから、
結論は悪ふざけの延長で、イジメではないということになった。
そして放課後。
陽菜はクラス中から責められた。
「てめぇ何チクッてんだよ!」
「ふざけんじゃねぇぞ!」
それに対して、陽菜はもじもじするだけで何も喋らない。
「何とか言えよ!」
「どうなんだよ!」
段々と興奮して声が大きくなっていく。
そしてついに一人の女生徒が陽菜の肩をついた。
軽い陽菜は勢いで転ぶ。
この瞬間、陽菜の脳裏に虐待されていたときのビジョンが浮かんだ。
「いやぁああああああああ」
突然頭を抱えてガクガクと震えだす。
「何だコイツ?」
「ちょっと突いただけで大袈裟なんだよ!」
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
陽菜はガタガタと震えながら頭を抱えて呟き続けた。
「何だコイツ~~~気持ち悪ぃい~~~~」
「あはははは、キモ~~~」
その姿を見ながら指差して笑うクラスメイトたち。
「おいオマエらぁ……いい加減にしとけよ……」
そのとき後ろからドスの聞いた声が……。
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