笑顔

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振り向くとそこに、黒崎拓馬が立っている。 「何だよ~。オマエには関係ないだろ?」 クラスの中心の大家が言った。 大家は柔道部で体格も良く、拓馬にも勝てる自信がある。 あるけれど戦いたくはない。 なぜなら、喧嘩で勝っても報復されるのは必至だからである。 喧嘩はしても殺し合いはしたくないのだ。 「寄ってたかって恥ずかしくねぇのか? オマエらはよぉ~」 「関係ねぇだろう? オマエは自分のことにしか興味がねぇんだから入ってくんじゃねぇよ」 戦いたくはないけれど、ついつい口調がきつくなっていく。 「関係ねぇことはねぇだろう。コイツとは同じ施設に住んでんだしよー」 「はぁ? 何だオマエ。この骸骨女と同棲してんのかよ?」 大家がニヤリと笑ったとき、拓馬は大家目掛けて駆け出していた。 (ヤバイ!) 喧嘩をするつもりはなかったのに、つい挑発してしまった。こうなると今更後には引けない。 大家は覚悟を決めた。
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