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狼――――だった。
銀の毛に瑠璃色の瞳。
月の光に照らされて、それは不思議な雰囲気を醸し出していた。
璃胡という名の狼は、少女の隣にたつと李旺を一瞥し、少女を後ろに向かせてそのまま腰を鼻でグイグイと押し始めた。
まるでさっさと戻れと言わんばかりに。
「ごめんなさい!わざとじゃなかったのよ…だからそんなに怒らないで………」
謝罪の言葉を口にするも、璃胡は尚少女を押し続ける。
そんな彼女の様子を見て少女はため息をつき、李旺の方に首だけ向くと言った。
「話の途中で本当に申し訳無いのだけど、もう帰るね。……さよなら。」
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