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心地よい風が頬を撫でる。
さわさわと木々が揺れ、虫たちが歌う。
空には満天の星と、
優しく大地を照らす月。
そして、
誰もいないはずの山の中に、
少年がいた―――――――――。
「…ハァ、また勝てなかった……
やっぱり強いなぁ、臥双(がそう)は。」
そうつぶやきながら、少年は目的地へと足を運んで行く。
『李旺(りおう)』
それが少年の名。年は14。
幼さがまだ少しあるものの、少年はとても端正な顔立ちをしていた。
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