生存者

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家についたが入ろうとは思わなかった。 というより恐怖で入れなかった。 すべての家の雨戸、カーテンがすべて空いているのに街灯以外の1つとして明かりを見つけることができなかったからだ。 ひとまず近所の八百屋と肉屋に行くことにした。 面倒臭かったがスーパーよりは安全だと考えたからだ。 八百屋には新鮮な野菜が並んでいた。 僕はりんごをひとつ手にとりかぶりついた。 おいしかった。 今までに食べたことがないくらいおいしかった。 自然と涙が溢れ出す。 「母ちゃんの飯が食いてぇ…」 りんごを食べながら、つい昨日の晩飯のことを考えていた。 しかしいつまでもくよくよしてはいられなかった。 果物をバイクのトランクに入れ肉屋へ向かった。
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