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空腹の次は睡魔に襲われた。
携帯を見ると夜中の1時を回っていた。
「どこか寒さをしのげる場所は…」
今は真冬の12月。
その場に寝れば凍死は確実だった。
実際体は冷えきって小刻みに震えていた。
寝床を探すために辺りを見回すと自動販売機が目に入った。
急いで駆け寄り小銭を取り出す。
コーヒー・ココア・紅茶
いろいろ種類があったが買うものはこれとすぐに決まった。
コーンポタージュ
小銭を入れボタンを押した。
自動販売機から取り出しゆっくりとしかし力強く握った。
指先を暖めた後蓋を開け口に運んだ。
その温かさは冷えきっていた体と心を暖めた。
最後まで飲み干したときあることに気がついた。
「ヤッベ、振るの忘れてた。」
一人で笑った。
久ぷりに笑った気がした
気が緩んだ瞬間目から何かが流れ落ちた。
涙
何故涙が出たのか自分でもわからなかった。
しかし涙が出たのと同時に恐怖に立ち向かう勇気が生まれた。
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