タケダとジョナサン

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決して、タケダと過ごす時間が楽しくなくなったのでも、飽きたのでもない。 ジョナサンの胸にある、なんとも形容し難い違和感。 寝ても覚めてもモヤモヤとした、焦りにも似た感情。 ジョナサンはまだ気が付いていない。 その感情が“不安”だという事に。 『タケダサン、僕、笑顔 ヲ 忘レタヨ』 『はぁ?笑顔?  そんなモンな・・・』 タケダは物知りだ。 ジョナサンが不思議に思う事柄に、タケダが答えられなかった事はない。 そしてタケダは予知能力も持っている。 職場の休憩所で 『見ててみぃ、ジョナやん。 あのオッサン、このクソ暑い日に、ホットのコーヒー買うで』 ・・・本当に買った。 ある日の横断歩道では 『アカンアカン! あれが赤くなったら、車が来よるで!』 ・・・本当に来た。
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