タケダとジョナサン

6/11
前へ
/11ページ
次へ
タケダはジョナサンの右手を取り上げ、絆創膏を貼ってあげた。 『左でやりぃ。左で』 今度は軽く、左手の人差し指を咥えるジョナサン。 『・・・ウィッヒー』 笑顔は戻らない。 『もっとや! 大きい声で言わんかい!』 『・・・ウィッヒーー!』 『おい!なんで泣いてんねん!』 涙が止まらなかった。 何度ウイスキーと言おうとしても 『ウィッヒー』としか言えない。 ジョナサンは深く絶望した。 僕には笑顔の資格が無いのだ、と。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加