17人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「男なんか要らねぇ!」
「あのねぇ、さっきから男男ってなんな訳?そんなに女がいいかっ」
「んな訳ねぇだろ!」
「じゃあどんな訳よ!」
お互い一歩も譲らなかったのに、途端柚希の言葉が詰まった。
「そ、れは…」
「それは…?」
柚希は言いにくそうに目を泳がせている。
いつも憎々しいほど余裕綽々な柚希とは大違い。
「お前に、俺以外の男が近づくのが嫌で…つまり…」
え?それって……
僅かに動揺して前を見ると、真っ直ぐに私を見つめる柚希と視線が合う。
「俺は凛恋が好きだ」
「!」
柚希が私を……好き…?
「あぁー、バカだ俺!言うつもり無かったのに!別に返事とかそういうの俺、期待してな…!?」
気付いたら、涙がポロポロと出てて柚希の目の前で大号泣だった。
「ご、ごめ…」
「なんで泣くんだよ」
「返事、する」
それだけ言って、私は柚希に抱き着いた。
「私も柚希が大好き。誰よりも」
「凛恋…」
ぎゅっと抱き締めると返してくれる温もりが嬉しくて…私達はいつまでも抱き合っていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!