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律にも、まだよく分からない。自分は行人を好きになったのか。
律「……まだ分からないよ」
律の目に一粒の涙が流れた。
翌日
今日も、律が夜明け前に起きた。
律「……はぁ」
律は澪を見た。澪はまだ眠っている。
律の心の声
「澪は、あたしが行人を好きなって。どうする気なんだろう?」
まだ、昨日の澪の言葉が頭に響く。
律「仕方ない。散歩でもするか…」
まだ静かな藍蘭島。
海の波の音だけが響く。
海辺を散歩すると、またしばらく考え込んだ。
律の心の声
「確かに、行人はかっこいいし、優しい…でも、まだ会ってほんの数日なのに、好きだなんて…まさかな」
行人「あれ?律?」
律「え?」
いつの間にか、行人が律の目の前にいた!!
行人「どうしたの?こんな所で」
律「…あ…あたしは…散歩だよ!!早く起きて暇だから」
しどろもどろになりながら、律は説明した。
行人「ふ~ん」
律「あっ!!行人は何で?」
行人「僕も暇なんだ」
律「そ、そうなんだ」
行人「どうせなら、一緒に散歩しない?」
律「えっ!?」
突然の行人からのお誘い。
律の心の声
「え!?えっ!?ちょっと待ってよ!!ひょっとして、これはデート!?」
いや、ただの散歩なんだが…本人は少しパニック状態。
律「よっ…よろしくお願いします!!」
なぜだか、きれいにお辞儀した。
行人「え?は、はい」
こうして、朝の2人の散歩が始まった。
散歩は海辺に沿って歩くだけ。だから、律は行人にいろいろ質問したりした。
律「じゃあ、行人はカレーが大好きなんだ」
行人「うん。うちは全部和食だから、学食ではいつもカレーを食べててたんだ。律は?」
律「私はハンバーグかな…」
行人「あっ!この前の豆腐ハンバーグスッゴくおいしかったよ!!また作ってくれない?」
律「あ、当たり前だぁ!!何十個も作ってあげるぜー!!」
行人「そ、そんなにはいらいけど…」
律「えー!!さっきはおいしかったって言ったのに!!ぷー!!」
頬を膨らませて、少し怒った。そして、その場に座り込んだ。
行人「あっ!!ごめん!!悪かった!!」
慌てて誤る行人。
律「もう!!冗談だって!!」
律が振り返ると、2人の顔が近づいた!!
律行人「あっ…」
しばらく見つめ合った。
律行人「…………」
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