唄って

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10分後 ジャーン♪ すず「できた!!」 唯「すごいよ!!すずにゃん!!」 わずか10分で、すずはほとんど弾けるようになった。 唯「すずにゃん!!何か弾いてみてよ!!」 すず「うにゃ…できるかな~?」 唯「いいからいいから」 すず「じゃあ…」 すずは本をパラパラとめくり、手を止めた。 すず「それじゃあ歌うね」 唯「わーい!!」 すずは『君といたいのに』を演奏した。 すず「『ただ 君といたい そばにいたい ずっとずっと 全てを捧げ サヨナラするまで 時間をかけて 僅かな時を 二人のために』」 すずの演奏を終えると、唯は泣いていた。 すず「ちょっと!!唯ちゃん!!どうしたの!?」 唯「ごめん…すごくよかったから…」 すず「だったら、唯ちゃんも一緒に歌おうよ」 唯「え?」 すず「だって、コブクロも2人組でしょ?あたしと唯ちゃんだったらちょうど2人組だし」 唯「確かに」 唯はなんだか嬉しくなった。 理由は分からないが、胸がドキドキしてきた。 唯「じゃあ、歌おう!!」 すず「そうこなくっちゃ!!」 1曲目は『轍』 今でも、ライブではよく歌われるアップテンポな曲。 すずはちょっと大変そうだが、なんとか弾いてる。 唯「『そんなに遠い目をして 君は何をしているの?昨日を振り返るなら 見えない明日に目を懲らせ』」 唯すず「『眠れないほど悩んで 見えた答えがあるなら 君さえ知らない君を 見つける旅に出かけよう』」 すず「『轍さえもない 道をただ進め 抱えきれない夢が 不安に変わる日が来たら』」 唯すず「『そんな時は 僕の所へ おいで 歌を唄ってあげよ 涙枯れた その後にだけ 光る 明日を目指す』」 2曲目は『エピローグ』 初めて女性目線で作ったバラード。失礼ソング。 すず「『喧嘩しては泣いた あの頃と少し違う 歯がゆさも苛立ちのない さよならの後の涙』」 唯「『流れ着く場所も失って 思い出を濡らすの 滲んだ笑顔の隣には まだ私がいるのに…』」 すず「『優しさもずるさも 幼さもだらしなさも あなただと愛してたの もう一度戻れるなら』」 唯「『一番近くで 見ていてと 強く握りしめた あなたの手が話せなかった あの頃に戻りたい 恋人じゃない頃に』」
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