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すず「え?ムギちゃん?」
澪「そう。まだ帰ってないから…」
すず「いや。うちには来てないよ」
澪「そう…分かった」
不安が募る。
そして、恐れてたことがおきる。
ボツポツ
澪「あ…雨…」
紬「ハァ…ハァ…」
紬は急いで帰ろうと走ったが、石につまずいて、負傷してしまった。
しかも、雨のせいで足場はかなり悪くなっている。
紬「ハァ…ハァ…」
だんだんと体力が減ってきた。
紬「もう…だめ…」
ついに、紬はその場に倒れた。
紬「みんな…」
いつもの放課後の光景が蘇る。
紬「うっ…うぅ…」
この雨と一緒で涙が止まらない。
紬「み…みんなぁ…」
??「…おい…おい…」
誰かが読んでいる。
目を開けると…
大河「おい。大丈夫か?」
紬「え…あ…」
大きな虎がいる。
北の森の主:大河
島ではからあげの次に強いと言われるほどの実力者。
どうやら、紬は大河の住処にいるようだ。
紬「えっと…」
大河「心配するな。お前を食おうとはしない。たまたま歩いてたら、お前が倒れているから、ここまで運んできた」
紬「…ありがとうございます…」
大河「礼はいらん」
相変わらず冷めた口調で話す。
大河「ところで、腹は減ってるか?」
紬「え?ま…まぁ…」
大河「そうか。なら、少し待っててくれ。今、焼き魚にするから」
焚き火で魚を数匹焼く。
紬「あれ?」
紬はおかしなことに気づく。
それは魚の大きさだ。
ちかげの話しでは、大河はかなりの大食いだから、魚もかなり大きいはず。
なのに、今焼いている魚はどれも小さい。
紬の心の声
「まさか。私の為に?」
大河「ほら。焼けたぞ」
紬「あ、ありがとうございます」
一口食べると
紬「おいしい!これ、スッゴくおいしいです!」
大河「そうだろう?北の森でしか生息しない魚だからな。おいしいはずだ。えっと…名前は?」
紬「琴吹 紬です」
大河「紬か。俺は…」
紬「大河さんですよね?」
紬に先を言われ、少し驚く大河。
大河「そうか。ならいい」
その後は2人で焼き魚を食べた。
大河の話しだと、雨は朝には止むだろうと聞いた。
桜を見ようとしたが、足のケガもあるなら、早く帰ることにした。
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