2:作り物

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寒い。 どれくらい寒いかというと、まじ寒い。 今年の冬は極寒で、ここ鹿児島も雪が積もったほどだ。 俺は煙草を吸いながら、窓の外を眺めていた。 ピルルル・・・ 携帯に「亜依❤」と表示される。 またあいつか・・・。 俺はため息をついて携帯を手に取った。 昭「もしもし」 亜「もしもし、昭君?あのねっ、前話した圭太君が昭君のメアド知りたいって言うんだけど、教えていいかなっ?」 昭「別にいいぜ。っつか、んなことで電話すんじゃねぇよ。」 亜「やだ、冷たい~!亜依、泣いちゃうよぉ?」 昭「勝手に泣けよ。」 亜「むぅ。・・・じゃあ、教えるねっ!」 そこで、電話は切れた。 ・・・うぜえ。 何が「むぅ」だ。 かわいくねえんだよ。 圭太とは、亜依の友達の彼氏だ。 彼女が処女じゃなかったとかで、もめているらしい。 俺だったら、彼女が誰のチンコくわえてようが特に気にしない。 ヤりてえなら、ヤればいい。 というか、俺が使えればどーでもいい。 そんなことを考えていると、また携帯が鳴った。 知らない番号だから、たぶん圭太だろう。 顔も知らない奴に電話してくるとは、なかなか肝の据わった奴だ。 昭「もしもし」 圭「もしもし。俺、圭太っていいます。亜依の友達です。よろしく。」 昭「おう、よろしく。なんか彼女ともめてるらしいな。生々しい話でも相談にのるぜ?」 圭「彼女かぁ…。その話は正直、聞かないでくれると助かる。相談は嬉しいけど・・・。」 昭「あぁ、そう。はぁー・・・」 圭「もしかして、昭夫君って煙草吸ってる?」 昭「よくわかったな。」 圭「煙吐き出す音したかんね。何吸ってんの?」 昭「マルボロ。」 圭「へぇ、すごいね。」 昭「何がすげぇんだよ。」 圭「なんか、かっこいいじゃん。」 昭「はぁ?かっこよかねぇだろ。・・・切るぞ。」 圭「うん。仲良くしようね。」 圭太との電話を切った後、また携帯が鳴った。 昭「・・・・もしもし。」 亜「もしもし。今・・・健一じゃない・・よね?」 昭「ちげえよ。何で?」 亜「圭太君に彼女の話したんでしょう?健ちゃんってほら、人の嫌がること大好きだから・・・。圭太君、彼女と別れたのに・・・あっ!」 昭「なっ・・・!?別れたのか!?先に言え、馬鹿女!」 亜「だって・・・(プツッ 俺はもう一度圭太に電話をかけた。 俺としたことが、無神経すぎたようだ。
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