0人が本棚に入れています
本棚に追加
「しっかしさー、榎本くんって
ほんとかっこいいよねー」
昼休み、美亜が
ジュースを飲みながら
そして翔ちゃんを見ながら
そう言った。
「え、美亜から見てもかっこいいの?」
「かっこいいよ~。顔は好きよ、顔は」
“顔は”に力が入りすぎだ。
“顔は”美亜好みだったか。
でもダメね。
美亜は完璧な人がタイプだから。
でもそっか。
そんなにかっこいいのか、
翔ちゃんは。
「栞はかっこいいって思わないの?こんなに身近にいて」
「う──ん…なんか…
身近すぎて分かんない」
「あー、幼稚園から一緒だったっけ?そりゃもう家族みたいなもんよね」
そうそう、家族なんだよ。
何かとすぐウチに来るし、
ウチの親と異常に仲良いし。
なんでかウチの親に
好かれてるんだよね。
「でもさ、ぶっちゃけ榎本くんより栞の方が頭イイよね?
なんで高校まで一緒なの?」
「あー…それねぇ………」
このエピソードは
一生忘れないわ。
………衝撃的すぎて。
.
最初のコメントを投稿しよう!