幼なじみの宿命

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「最初はね、ここより1こレベルが高い所に行く予定だったの」 あたしは最初、この緑風高校を 志望していなかった。 交通網的には緑風が 一番いいんだけど、 なんとなくもう1つ ランクが上の美坂学園に 行こうと思っていた。 美坂は女子の間では 制服が可愛いことで有名。 品がある学校なため、 安心して学校生活が送れると 思っていたことも理由の1つ。 だけど、翔ちゃんは 最初から緑風が第一志望だった。 翔ちゃんが行ける高校で 一番いい所が この緑風だったそう。 翔ちゃんの志望を聞いたとき、 ずっと一緒の学校という関係も ここまでか、と思った。 でもまぁ、 パシリにされることも なくなると思えば気が楽だった。 そしてある日、それは起こった。 あたしが最終進路調査の紙を たまたま机の上に 出しておいたときのこと。 あたしはそのまま トイレに行っていた。 トイレから戻ってきて、 調査用紙にボールペンで 記入をしていないことに気付き、 改めて書こうと、消しゴムで 文字を消そうとした。 ………だが消えない。 え?なんで?と思って よく見てみると既に ボールペンで書いてあった。 第一志望の欄にはあたしの字ではない字で、 《緑風高校》と 書かれていたのだ。 「…は!?なにそれ!! 誰かが勝手に書いたってこと!?」 美亜はあり得ない話に とても驚いた様子。 あたしは話を続けた。 .
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