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通勤通学で混み合う駅。
あたしは前を走る翔ちゃんを
必死に追いかけていた。
馬鹿だけど運動だけは
出来るヤツだから
追いかけるのが大変だ。
「しお、急げ!電車いる!!」
階段を上りきった翔ちゃんが
あたしに声をかける。
階段でフラフラなあたしの手を
翔ちゃんが引っ張って
急いで電車に乗り込んだ。
『ドアが閉まります。
ご注意下さい』
「ギ…ギリギリセーフ……」
疲れた……
なんで朝からこんなに
全力疾走してんだろ…
「疲れたなー。でも食後のいい運動だよな!」
「あんたねぇ……」
でもじゃねぇよ…
爽やかな笑顔で言うなや!
学生とサラリーマンで
混み合う電車内。
チラッと周りを見ると
数人の女子高生が
こっちを見ていた。
正確に言えば、翔ちゃんを。
あたしもチラッと
翔ちゃんを見てみた。
「ん?どした、しお?」
「ううん、何でもなーい」
「なんだよー」
翔ちゃんとあたしは
周りから見てどんな風に
思われているんだろう?
.
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