~序~

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遠くで微かに聞こえ鐘の音。 だが 暮れ六の鐘を掻き消す様な雨音が 地面にたたき付けられ飛沫をあげる雨脚は止む気配さえない。 古寺のお堂の中で壁に背もたれ雨音を聞いていた。気ものはしっとりと濡れ、芯まで濡れた髪からが落ちる。 杖を抱き寄せじっと身をよせた。 そのうちヤンワリと眠気が襲う うとうとと意識がまどろむ頃外からけたたましい足音が水溜まりを跳ね寺へと近づいいて来た。
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