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荒々しく戸を開ける音。
がさつな男達の声が境内に響き渡る。
「頭。急な雨には参りましたが、万事上手く行きやしたね」
一人の男がずぶ濡れになった身体をそのままに頭と呼んだ男に近づいた。
「荷物は隅に重ねておけ、誰か火を着けろ。
とにかくここまで来りゃまず追っ手は来ねぇ」
ガヤガヤと男達が動き回る
この辺りでのさばる山賊の類だろう
はるは浅い眠りの中でそう思った
面倒さえ起きなきゃそれでいい
「頭 こっちに誰かいやすぜ」
一人の男が部屋の隅で壁にもたれるはるを見付けた。
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