迷ったときは、一歩進んで五歩下がれ。そしたらわかる。

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とにかくそんな俺が置かれている状況を説明。 「……親父?」 「…………………」 無視?いや確かに親父に嫌われてるのは知ってるけどさ。返事ぐらいしてよ。 しょうがないのでもう一度。 「ねぇ親父?」 「……なんだ?」 不機嫌そうな態度。だから子どもから怖がられるんだよ。 しかし今言いたいことはそれではない。 「なんだよその隣の可愛い女の子は!!」 俺は珍しく大声を出した。親父は『煩いぞお前』みたいな顔をしているが気にしない。 なんか一週間ぐらい親父が帰ってこなくて、親父がどうしてんのか心配してた時に『ただいま』なんて親父にしては珍しい掛け声がしたんで、『なんだなんだ?明日は雨降か?』って思ってたら次に聞こえたのは『……ただいまです』なんて言う可愛い声。 結論、 「親父が女を連れてきたァァァア!!!」 って叫びながら玄関に家族総出でダッシュすると、玄関にいたのは親父と見知らぬ女の子。 森のくまさんみたいな組み合わせだなオイ。 じゃなくて、と一人でつっこみをいれて今に至る。 すると親父は俺を無視して靴を脱ぎ始めた。 質問に答えろよクソ親父。 隣の女の子もこれが我が家の挨拶と勘違いしているのか、靴を脱ぎ始めた。 ……なんかとっても可愛いッス。 親父じゃなくて女の子が、だ。 黒髪のボブがよく似合っている。
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