神カミかみ

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クラスの備品のような存在であるウチのところまでその噂は届いた。 というか、盗み聞きした。 盗み聞こえした。 聞こえてきた。 この学校は普通とは違う。 だが、その噂は抜きん出て普通ではない。 この学校は全国のトップクラスの者しかいない。 何のと言われれば、何とでも言える。 オールマイティ。 何でもありの学校で、 全国から年齢、性別、職業を問わず、半強制的に連れて来させられる。 学業のトップクラス、スポーツのトップクラス、計算のトップクラスなど、何でもありだ。 中でも噂によると、超能力者や霊能者などの「人外」もいるらしい。 みな、何故連れて来させられたのかは口をつぐむので、それらが本当に存在するのかは実際のところ分からない。 しかし、問題の噂はそんなちんけな噂ではない。 夕暮れ。 一人で教室の窓から外を眺める。 考える。 噂について。 一人。 考えて考えて考える。 そして思いを馳せる。 この学校にいる伝説の存在。 世界を作った存在。 あらゆる生き物の頂点に君臨する者。 この学校には「神」がいる。
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