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然程広くない国のとある町【カース】
ここは狭く、穏やかな雰囲気で癒される場所だったらしいが…今はその面影もない。
家に居ても周りのざわめきがハッキリと聞こえてくる。
「てめぇ!肩ぶつかったなら謝罪くらいしやがれ!」
「腹減った…飯……」
「ねぇねぇそこの可愛い子、ちょっと遊ぼうよ」
「おかーさん……どこ…?」
俺が物心ついた時にはもうここは人で溢れ、飢餓に悩まされていた。
何故こうなったのか、それは先代の勇者のせいだ。
死ぬべき人が死なず生きながらえ
死に場所を見付ける事が出来ず
死に直面するとすぐに勇者が助けにくる。
死なないのは良い事なんかじゃない。
大事なのは【生き方】と【死にざま】
この現状を見て、俺は改めてそう実感した。
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