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「一つ、質問させて貰う」
「あ…どうぞ」
何かを言いかけたのか、口を開いた瞬間に俺が喋りだした為に先を促された。
「この世界、お前はどう思う?」
俺はこの世界が憎い、嫌い。
だが神はこの世界をどう見ているのだろう。
素直な気持ちから生まれた疑問をしただけで深い意図は何も無い。
「…他の神達はこの世界を見放した、"勇者"という不可思議な存在のみを残して。けど私にはどうも納得がいかなくってさー…あっ、私の名前は"凛々"ね」
「勇者が不可思議な存在?」
「そう、何処かおかしいの…って食い付く所おかしくない?私の不満は?気にならない?」
「…是非話してくれ」
先を促すとにやりと微笑み、待ってましたとばかりに続きを話し始めた。
「まず勇者の存在意味、この平和過ぎる世界で何故存在するのか。そしてあの力、彼は神から力を分け与えて貰っている」
「そうか…!何故見捨てた世界に干渉する必要があるのか。お前…いや凛々は何かそこに重大な理由があると予想してるんだな?」
良くできました と
そう言う様にウィンクを返してきた。
「私はこの世界が奴らの思い通りになるのは気に食わないんだよねー。私に協力してみない?」
そう言いながら手を差し出してきた。
コイツからは何故か神々しさが感じられない。
俺が協力してどうにかなるもんでも無いと思うが何もしないよりマシだ。
「面白そうだ、俺に何か出来るなら喜んで協力させてくれ」
神は大嫌いだが利用しない手は無い。
俺は真っ直ぐと死神を見詰め手を取った。
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