魔と神と人

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恐らくこれが仲間になる上で絶対条件である事は容易に推測出来る。 陰と陽が潰し合い反発するのなら、人をわざわざ陽に傾ける必要はない。元より神と人なんて交わる事も余り無いはずだ。 しかしコイツはわざわざ俺のスキルエレメントを陽に傾けようとしている。対等な立場として受け入れる という意思表示なのかもしれない。 …又は神と接触した場合、俺を人だと悟らせない為か……。 どちらにせよ行動しないと何も始まらない、さっさと着て次の指示を待とう。 バサッと小気味良い音をたてローブを着ると直ぐに異変は起きた。身体の芯がチリチリと熱く、落ち着かない感じだ。 燕を拾い上げ背にベルトで固定すると凛々に向き直り軽く頷いて口を開く。 「これで良いのか?」 「うん、バッチリ。後は…神としての振舞いを心がけて」 いまいち実感は無い…が、話が面白い方向に進んでいるのは確かだ。 ローブは不思議と身体に馴染み、今はもう最初見た時の禍々しさは皆無だ。 だが落ち着かない感じはむしろ強くなっている気がしてならない。
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