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『イーグル編隊、風は方位005(ゼロ・ゼロ・ファイブ)より五ノット。ランウェイ36からの離陸を許可する』
二機は滑走路中心から左右に一機ずつ停止する。
『ランウェイ36より離陸する』
02、二番機の馬場は「ツー」と応じる。二番機了解。
隈井が離陸を開始。排気ガスにもう一度、燃料を吹き付けて燃焼させることによって加速力を得るアフターバーナーを点火したイーグルはあっという間に機体を一五〇ノットまで加速させ、離陸していった。
その十五秒後、馬場はタキシングブレーキを踏み込んだまま、スロットルをアフターバーナーゾーンに押し込んだ。
排気に燃料が吹き付けられ、アフターバーナーが点火。排気ノズルからバーナーのような青紫色の炎が輝く。
エンジンが甲高い音で安定した。それを確認してタキシングブレーキを放す。
ブレーキの解放と共に機体は滑走路上で一気に加速していった。
滑走路の感触がギア(脚)を通して伝わってき体が押しつけられる。イーグルは加速を続け、エンジン音が甲高くなっていく。
馬場の機体もあっという間に一五〇ノットまで加速し、馬場は操縦桿を引いた。
ギアが滑走路を離れ、イーグルの機体は浮かび上がる。そのままぐんぐんと高度を上げていった。
スクランブル(緊急発進)の指令があってから離陸まで五分ほどだった。
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