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東シナ海尖閣諸島。日本による国有化宣言以降、ここは東アジアの火薬庫とまで呼ばれる緊張地帯となった。
この尖閣諸島が話題になり始めたのはさかのぼる1970年、国連の調査によって推定一千九十五億バレルという石油の埋蔵の可能性が報告されたことから始まる。その後、沖縄が返還される頃には中国、台湾が領有権を主張していた。
中国はその後、経済成長を続け、その勢力を拡大し続けた。南シナ海では南沙、西沙諸島ではベトナム、フィリピンをはじめとする東南アジア諸国が領有権を主張するなか、不法な占拠や取り締まりなどを行い、東シナ海でも尖閣諸島を巡り、挑発活動を繰り返した。
事態が一変したのは2010年9月7日。俗に尖閣諸島中国漁船衝突事件と呼ばれる違法操業の取り締まりを実施した海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突するという事件が起きてからだ。
日本が漁船の船長を逮捕すると中国では日本商社の人間四人を軍事施設を撮影したなどと逮捕し、日本との閣僚級の往来を停止、航空路線増便の交渉中止、石炭関係会議の延期、日本への中国人観光団の規模縮小、レアアースの輸出制限などの露骨な圧力をかけて対抗、日本は船長らを解放するに至った。
その後、中国の尖閣諸島の領有権主張と挑発はエスカレートし、領海侵犯などが繰り返された。
それに痺れを切らした東京都知事が尖閣諸島魚釣島の購入を進め、最終的に国が国有化すると中国の挑発行為は一気に激化した。公船が堂々と領海侵犯を繰り返し、台湾からは漁船団が押し寄せる。
今や東シナ海の日本の小さな島は主権を脅かされていた。
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