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沖縄
航空自衛隊那覇基地
14 February.2009
那覇空港に隣接する航空自衛隊那覇基地。近年は中国の成長によって航空自衛隊の基地の中でも特に最前線と意識される基地だった。
白昼、那覇基地の緊急発進に備えたパイロットが待機するアラート待機所にベルが鳴り響いた。
「ホット・スクランブル!」
ディスパッチャー(飛行管理員)の声がアラート待機所内に響く。その言葉を聞いた馬場隆史(ババ・タカシ)一等空尉は弾かれたようにソファから立ち上がり、駆け出した。
サイレンが鳴り、赤色灯が回転し、ハンガー(格納庫)ドアが開いていく。
馬場は滑走路の端の近くに設置された緊急発進機の待機するアラートハンガーに駆け込む。そのかまぼこ型の格納庫の中では二羽の荒鷲が羽を休めていた。
戦闘機、F-15Jイーグル。
長きに渡り、その鷲は空を制し続けていた。アメリカのF-22戦闘機登場までは西側最強とも唄われた制空戦闘機だ。今もまだ実戦での撃墜はカウントされていない。
そのコックピットにラダーを伝って駆け登り、コックピットに馬場は滑り込んだ。フライトヘルメットを被り、ハーネスを整備員に補助されつつ着装する。
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